海藻 食物繊維比較 ( こんぶ わかめ のり )の紹介です。四方を海に囲まれた島国であるわが国では、苦から海藻をよく食べてきました。こんぶのみならず、わかめ、海苔、ひじきなどその種類も多く、日本人は世界でもとくにたくさん海藻を食べている民族といえます。
海藻 食物繊維比較 ( こんぶ わかめ 海苔)
こんぶについては、これまでにいろいろと述べてきましたので、ここではわかめと海苔について簡単に説明し、こんぶと比較してみましょう。わかめやこんぶのヌメリの主成分は、すなわち食物繊維とみなすことができます。
そしてヌメリはこれらの海藻の加工の程度でかわってきます。ただ共通していえることは、アルギン酸には水に溶けるものとアルカリでしか溶けないものがありますが、それぞれの母体になる海藻の種類によって、アルギン酸の性質が違っていますので、共通の性質もありますが、異なる点もあるということです。
フコイダンも同じく、母体になる海藻が違えば性質も違いますが、同一の海藻、たとえばコンブとかワカメにおいても、それぞれ異なった性質の何種頬かのフコイダンを含んでいます。ですから、抗ガン性などでは、それぞれがいちじるしく違うところもあるのです。
要するに、これらの食物繊維の化学的性質は、ブドウ糖とか、ショ糖のような単純な物質ではありませんので、本当のことをいうと、ワカメのアルギン酸やフコイダンは、コンプのものと大まかな性質は同じでも、細部の構造は違うということなのです。
そして、私たちのからだに対する作用にもそれほどかわりないものと、非常に違うものがあります。海苔にはポルフィランと呼ばれる一種の硫酸多糖の食物繊維があり、アルギン酸と同じような生理作用を示しますが化学的にはまったく別種のもので、ちょうど寒天に10%前後の硫酸がついている構造をしており、その硫酸をアルカリで除くと、寒天とほぼ同じものになり、これをノリ寒天と呼んでいます。
中国では、オゴノリ寒天などとともに市販されていますが、寒天と同じく優れた食物繊維です。
海藻には多くの食物繊維が含まれていますが、種類によって含有量が異なります。ここでは、こんぶ(昆布)、わかめ、海苔の食物繊維含有量を比較してみましょう。
食物繊維の種類と総量
- 不溶性食物繊維: 水に溶けにくく、腸の働きを活発にして便通を促進します。
- 水溶性食物繊維: 水に溶けてゲル状になり、腸内で糖質や脂質の吸収を遅らせます。
2. 食物繊維の比較
以下は、100gあたりの乾燥海藻の食物繊維含有量の平均値です:
海藻 | 総食物繊維 | 不溶性食物繊維 | 水溶性食物繊維 |
---|---|---|---|
こんぶ | 27.1 g | 17.2 g | 9.9 g |
わかめ | 38.3 g | 32.0 g | 6.3 g |
海苔 | 33.8 g | 26.6 g | 7.2 g |
3. 詳細な比較
- こんぶ(昆布)
- 総食物繊維: 27.1 g
- 不溶性食物繊維: 17.2 g
- 水溶性食物繊維: 9.9 g
- 特長: うまみ成分であるグルタミン酸が豊富で、料理の出汁に使われます。
- わかめ
- 総食物繊維: 38.3 g
- 不溶性食物繊維: 32.0 g
- 水溶性食物繊維: 6.3 g
- 特長: サラダやスープに使われ、ミネラル分が豊富です。
- 海苔
- 総食物繊維: 33.8 g
- 不溶性食物繊維: 26.6 g
- 水溶性食物繊維: 7.2 g
- 特長: ビタミン類が多く、手軽に摂取できるため、巻き寿司やおにぎりに利用されます。
4. 食物繊維の健康効果
- 便秘解消: 食物繊維は腸内環境を整え、便通をスムーズにします。
- 血糖値の管理: 食物繊維は食後の血糖値の上昇を緩やかにする効果があります。
- コレステロール値の低下: 水溶性食物繊維は血中コレステロール値の低下に寄与します。
5. 摂取方法
- こんぶ: 出汁を取ったり、煮物に加えたりすることで、豊富な食物繊維を摂取できます。
- わかめ: サラダやスープの具材として使うと、食感が良く、食物繊維を取り入れやすいです。
- 海苔: 手巻き寿司やおにぎりの具として手軽に摂取できます。